所有権更正登記と真正な登記名義の回復登記

【プロローグ】マンションの購入に関して、マンションの登記名義を10分の5を夫、10分の5を妻としましたが、実際のマンション購入資金は9割を夫が、1割を妻が出資していました。

この場合、何か問題は生じるでしょうか?


不動産の持分と持分更正登記

本件の事例では、本来妻が10分の1の持分しか持てないところ、10分の5の持分を持ってしまっているため、10分の4の持分に関して「贈与」を受けたとみなされ、贈与税の課税対象となります。よって、本来の購入資金の出資割合の持分とするため、10分の9を夫、10分の1を妻とする「持分の更正登記」を行う必要があると考えます。

 

更正登記が認められる要件

更生登記が認められるためには、以下の要件が必要とされています。

①実用的な権利内容と、登記されている内容が一部符号していないこと。

②更正登記の前後を通じて登記に同一性が認められること。

 

例えば、Aから所有権移転登記が行われB名義となったものを、C名義とすることは、全くの別人となり同一性があるとは言えず、更正登記は認められません。登記原因を「贈与」から「売買」に更正する更正登記は同一性があり認められます。

 また、登記原因の「日付」を更正することも認められます。ただし、平成29年4月1日に受け付けられた「平成29年4月1日売買」の日付を「平成29年4月2日売買」と更正するようなことは、本来発生していない物件変動を公示することになるので認められません。

 

更正登記の申請当事者

Ⅰ、甲→Aの所有権移転登記を、甲→ABに更正する場合

 登記権利者はB、登記義務者はAとなり、さらに甲も登記義務者となります。

Ⅱ、甲→A持分10分の9・B持分10分の1に更正する場合、Aが登記権利者、Bが登記義務者となります。この場合、売買という法律行為当事者には誤りはなく、持分の割り振りは、ABの問題なので、甲は登記義務者とはなりません。

 

利害関係人の承諾

前記Ⅰの事例で更正登記前Aに対し抵当権設定登記を行っていた場合、ABへの更生冬季がされてしまうと、全体に設定されていた抵当権がA持分のみの抵当権になり、権利が縮減されます。よってIの更正登記を行う場合、利害関係人として抵当権者の承諾書を添付する必要があります。

 Ⅱの事例で、更正登記前ABに対して抵当権登記があった場合、持分更正登記がされても抵当権には影響ないので、抵当権者の承諾は不要です。

 


贈与を受けたとみなされ、妻が贈与税の課税対象となる。

出費割合の持分とするため、

『持分更正登記』が必要

前記Iの事例で利害関係人である当抵当権者の承諾を得られない場合、更正登記を行う事はできませんが、真正な登記名義の回復を原因とし、A→Bへの所有権一部移転登記を行う事で、登記を実体に合わせる事も可能です。